2012年5月28日月曜日

「アービトラージ(裁定取引)」は儲かるか(スポーツブック)

アービトラージ(鞘取り)

金利差や価格差を利用して利ザヤを稼ぐ方法のことをアービトラージと言います。

スポーツの賭けでよく聞かれる言葉ですが、この方法は確かに確実に儲けるという意味では非常に魅力的な投資法ですが、多くの障害があります。

スポーツアービトラージの例

ここでは、アービトラージを簡単に説明するために、引き分けを考慮せず、勝敗だけのオッズを提示します。(実際のスポーツブックでは、引き分けもあります)

G大阪とサンフレッチェ広島の試合のオッズがあり、
ブックメーカーAとBによって次のように提供されているとします。


G大阪広島
A3.5倍2.5倍
B2.5倍2.5倍


ブックメーカーAでは、G大阪に1万円賭けます。1万×3.5=3.5万円の配当
ブックメーカーBでは、広島に1万円を賭けます。1万×2.5=2.5万円の配当

この投資法では、それぞれのブックメーカーで、それぞれ別のチームに賭けることで、
結果、どちらが勝っても、投資した金額一万円を超えるので、利益が出ることになります。

大阪が勝てば1万5千円の利益となり、広島が勝てば5千円の利益となるわけです。

アービトラージの投資手法がわかったところで、
どういったデメリットがあるか考えてみましょう?

アービトラージのリスク


1.ブックメーカーを複数利用する必要がある
    当然、アービトラージを狙うために複数のブックメーカーに登録する必要がありますが、この業界で、複数登録するというのはあまり賢明ではないでしょう。

    というのも、賭け屋であるブックメーカーは当然リスクを負っています。常に、ブックメーカーが儲かるというわけではないので、淘汰される(倒産)可能性が十分あるわけです。

    よって、預けた資金が、滞りなく 出金できる保証はどこにもありません。信頼できる大手のサイトに
    のみ登録するのがよいでしょう。
      
    2.オッズは常に変動する

    日本の公営賭博である競馬などは、顧客の賭けた資金の何割かが胴元に入る仕組みなので倒産はないのですが、ブックメーカーは賭け屋なので、オッズの提供の仕方を間違えると、時に損失を被ることがあります。

    ですから、オッズ提供は、ブックメーカーの腕の見せ所であり、常に真剣勝負です。

    ブックメーカーに参加している方はご存じのとおり、オッズは常に変動します。3日後の試合のオッズが提供されたとして、3日前、2日前、1日前のオッズを見れば、微妙に変化しています。

    特にライブ形式ではその度合いはめまぐるしく、1分後にはすぐにオッズが変わってしまい、利益を計算してからそのオッズに賭けても、オッズが変更されましたと表示され、再度賭けなおす必要があるなど、アービトラージを狙うのは、そう簡単ではありません。

    3.賭け金には最高上限金額がある

     当然、ブックメーカーはリスクを負っているので、無制限に賭けれるわけではありません。


    上図は、ブックメーカー「ピナクル」が提供するライブ形式のオッズです。
    「FC岐阜対ヴァンフォーレ甲府」の試合と「愛媛FC対カターレ富山」の試合です。

    赤い枠線 が最大限度の賭け金額を示していて、
    「ASIAN HANDICAP」を利用した場合は、39867.50円
    「マネーライン1×2」の場合は、19933.75円
    「トータルゴール」は、39867.50円 が上限金額となります。

    (1ドルから賭けられるので、円を利用した場合は、1銭単位で修正可能)

    このようにして考えると、アービトラージは儲かるかもしれませんが、狙うのに相当の時間を要し、またオッズの変更による再計算などのタスクワーク、また上限金額の設定などで、仕事の量に対して期待値があまりにも低く、おすすめするものではありません。

    アービトラージを狙おうとする同じようなライバルはたくさん存在し、発見されれば自然とオッズの利幅は狭められて、消失していくわけですから、先を制さないと アービトラージを狙うことはできず、いち早く見つけ出す必要があります。

    そういった意味で、アービトラージを狙うのは根気がいる作業です。


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